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 1970年代以降,日本国内の農業地域では,農薬や化学肥料の投入量の増大や都市化・混住化の進行に伴う工業系・生活系排水の増大により,農業用溜池・湖沼のような閉鎖性水域や沿岸浅海域における水質汚濁や富栄養化が顕在化しています.東南アジア新興諸国では問題はさらに深刻で,北部ベトナムにおける我々の調査によると,農村地域や閉鎖性水域での水質汚濁が急速に拡がっています.日本が1970年代以降,経験してきた農村地域での水質汚濁を,新興国では,より深刻な水環境の悪化を伴って急速に経験しつつあります.高い農業生産性を維持しつつ,陸域から排出される汚濁負荷を削減するとともに,下流の閉鎖性水域の水環境保全を図ることが東南アジア新興諸国では喫緊の課題となっています.
 これに対して,流域圏における水質環境は,陸域上流から下流の閉鎖性内湾に至る流域圏の物質フロー系によって形成されるため,水質保全のためには,陸海域流域圏全体の水循環系と物質循環系を総合的に俯瞰する,いわゆる統合的な流域圏水環境管理が持続的な流域圏環境管理計画の策定において必要不可欠となります.
 本プロジェクトでは,ベトナム農業開発省(Ministry of Agriculture and Rural Development)の傘下にあり,地域密着型の研究教育を展開している水資源大学(Water Resources University)のハノイ校とホーチミン校のスタッフと連携し,深刻な水質汚濁が進行中で,それぞれ流域圏の特徴が異なる北部・紅河流域圏と南部・メコン川流域圏を対象に,流域圏水環境統合管理手法を開発するとともに,流域圏水環境に関する研究教育の拠点形成を目指します.
 流域圏水環境研究では,上流の農林業域,中下流の都市周辺の農工業域や閉鎖性水域,河川・用排水路,沿岸浅海域などの多様なエリアを対象とし,さらに流域圏の水環境,土環境,気象環境,植物環境などに対する広範な研究手法が求められます.本プロジェクトは,九州大学東アジア環境研究機構の全面的支援の下,九州大学大学院農学研究院九州大学熱帯農学研究センターの研究者を中心に実施されます.

(以上,JSPS研究拠点形成事業申請書より)

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2013年8月 水資源大学ホームページで第3回国際セミナーが紹介.
2013年2月 水資源大学ホームページでSOWACプロジェクトが紹介.英訳版はこちら
2012年12月 九州大学農業工学研究会会報72号でSOWACプロジェクトを紹介.記事はこちら.
2012年9月 九大広報83号(平成24年9月発行)でジョイントセミナーを紹介.記事はこちら.

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Mailto <SOWACプロジェクト事務局>
九州大学大学院 農学研究院 環境農学部門 生産環境科学講座 水環境学研究室
〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1 
TEL 092-642-2915 FAX 092-642-2917