研究概要

 気象をはじめとする各種の環境要素は,物理的・生理的プロセスを通して植物の成長に密接関与します。今後,気候変動に伴う不適切環境(高温,低温,水不足など)の頻発が懸念される状況においても,適応性が高い高収益型食料生産を実現し,同時に持続可能な農業生産環境を創出していくためには,植物-環境系の輸送プロセス(光合成,転流,蒸散,根の養水分吸収,熱交換など)とそのメカニズムを理解し,さらにそれらを最適化する知識と技術の構築が極めて有効な手段となります。

 このような観点から,私たち気象環境学研究室では,生産対象物の生物の視点から気象環境をとらえ,国内のみならず海外(とくに中国の乾燥地)のフィールド(野外農地や温室)も活動の対象にして,気象・水文環境特性と作物環境応答の解析・モデル化,および高品質・高収量・環境保全(省エネルギー,低環境負荷)・農業防災を目的とする気象・水文環境の改善と環境調節に関する研究を展開しています.また,近年その頻発化が懸念される豪雨の特性,さらには人工降雨に関する研究も行っています。


最近取り組んでいる研究課題

気象・水文環境特性と作物環境応答の解析・モデル化に関する研究
作物の耐凍性の獲得・消長メカニズムの解明
大気由来の水資源「葉面結露」の発生プロセスとその新たな潜在価値の利用
根の養水分吸収機能の評価とモデル化およびその持続的農業への利用,など
高品質・高収量・環境保全のための温室環境調節に関する研究
作物の光合成と転流の潜在力を発揮させる局所環境調節・履歴積み上げ型環境調節
環境ストレスの利用による作物への高糖度・高機能性の付与
再生可能エネルギーの利用による省エネルギー・脱CO2化,など
農業防災のための気象・水文環境の改善に関する研究
作物の凍霜害対策の高度化
作物機能を利用した乾燥地農地の塩類化の緩和
降水(雨,雪,ひょう)特性とその人工調節,など